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テレビ朝日・大下容子アナ×恒川英里~WonderNotes Inspire~刺激人

前編

後編

恒川:大下さんはこれまでを振り返ってみて、 どんなアナウンサー人生でしたか?

大下:えっとねぇ、なんだろう?う~ん、そうだなぁ~。 ざっくり言わして頂くと、本当に恵まれていたなって思いますね。 最初はスポーツがやりたいと思って入社して、丁度私が入社した年に Jリーグが始まって、サッカーが凄く人気になって、 そんな時にサッカー番組を担当させて頂いて、色んな所やチームを リポートさせて頂いて。
そして5年目くらいにスポーツの面白さが 凄く分かって来たって時に、長野オリンピックに行かせて頂いて、 ずっと1カ月くらい行きっぱなしだったんですよ。 恒川さんはその頃、すごくちっちゃいよね?

恒川:はい、でも記憶はあります(笑)

大下:結構盛り上がったのよ(笑) それで、凄くいい大会に行かせてもらって、「もうスポーツ楽しい!」 と思って。で、その年に同じく日本代表がサッカーで初めて ワールドカップに出たのね。98年だったんだけど。

恒川:フランス大会ですよね。

大下:そうそうそう。サッカー番組を担当していた事もあって、 どうしても行きたくて、自分で企画とかも書いて、 無理矢理行かせて頂いて。 日本がアルゼンチンと試合をしたフランスのトゥールーズっていう 場所に行って、もうそれが楽しくて! 「こんな瞬間に立ち会えるなんて!」って凄く幸せで。
その時も帰ってから、自分の夏休みを使って 決勝だけ観にもう一回フランスへ行ったり。 それくらいワールドカップの素晴らしさに目覚めて、 「スポーツ頑張ろう!」って思ったら、その直後に、 「お前はワイドショーの司会をやる」ってなって、 「え~!私せっかくスポーツの楽しさに目覚めたのになぁ」って。 でも「それはもう決まった事だから」って言われちゃって・・・ 「え~!」って思いながら始めたワイドショーなんだけど、 今に至るみたいな感じで。 そこからはずっとワイドショーですね。
だけどやっぱり、スポーツ、特にサッカーが大好きだから、 日韓の2002年のワールドカップも、予選3試合全部を 仕事にかこつけて観に行ったり。 ドイツのワールドカップも、丁度、香取さんが日本代表応援団長に 就任されて、テレビ朝日がクロアチア戦の中継権をゲットしたのね、 だからそれに『スマステーション』で観に行けて。 そういう意味でも、凄く恵まれてるなぁって思いますね。

恒川:余談なんですけど、私も実は凄くサッカーが好きで。

大下:え~!本当!

恒川:はい、だからJリーグとかもよく試合とか観に行ってます。

大下:どこのチームのファンなんですか?

恒川:地元が名古屋なので、グランパス名古屋の試合を自転車で観に 行ったりして、今は関東に来たので色んなチームの試合を 観に行ってます。

大下:へ~そうなんだ!

恒川:だから凄く親近感が湧いてます(笑)

大下:嬉しい~!南アフリカのワールドカップ行きたいけどね~、 なんか治安が悪いとか言われて。

恒川:私も4年前にお金を貯めて「南アフリカ行こう!」って思ってたんですけど、 治安の事があるので…。

大下:だから私も何とかならないかなって思っていて、 男装して行こうかなって思っているんだけど(笑)。

恒川:大下さんは、アナウンサーがどんな職業だとお考えですか?

大下:アナウンサーねぇ…どんなんだろう? 意外と“くろこ”的なと言うか、縁の下の力持ち的な部分もあるなって、 普段なんとなく思います。
わりとイメージ的には、ワーっと華やかで、会社員でありながら スタイリストさんから衣装をお借りしたりだとか、 輝く方達とお会い出来たり御一緒させて頂いたりだとか。
勿論それはありがたい事なんですけど、実際の仕事は提供を読む事から 始まって、(本気で)「この放送はご覧のスポンサーの提供で お送りします」ってことから、イベントの司会をしたり。 『ワイド!スクランブル』も、私が喋っている時間なんか全部集めても 2分位にしかならないっていうか、うんうん頷いて、「次はこれです」 って言ったりして、 「こんなに喋らなくていいのかな?」って思うくらい。
だけど、喋る事だけがアナウンサーでは無いのかな?って。 皆が楽しいスタジオになれば、自分はいるだけでも、それは仕事だし。 私は大学でテニスをする前は、中学高校と広島でバレーボールを やっていて、ブルマ履いて転げまわっていたんだけど(笑) ポジションはセッターだったんだけど、このセッターとアナウンサーの 仕事って似てるなぁって凄く思うの。
アタッカーが決めたら「ありがとう!」って言って、 ミスしたら「ごめん私のトスが悪かった」って言えって、 顧問の先生にずっと言われていて。
「とにかくアタッカーを乗せるのがセッターの仕事だから」って。 そのセッター経験が意外に生きているっていうか、 キャスターやゲストをいかに乗せて、それで楽しい雰囲気に なっていくかっていう事なんだけど、でもセッターが実は色々と 司令塔になっていれば面白いし。
まあ、そこまで中々いけないんだけど。 そういう面白さはありますよね、ワーっていう派手な面白さではなく。 陰で操るって言ったら偉そうだけど、“どう居るか”っていうか、 今の私の仕事が特にそうなのかもしれないですけど。

恒川:深いですねぇ!

大下:どんなイメージでしたか?

恒川:華やかで、前に立ってという感じだと思っていたんですけど。

大下:そうだよね、そう思うよね、でもそういう面もあると思うし、 色んな面があると思うから、だから飽きずにこう長い事出来る仕事だと思いますね。

恒川:大下さんがアナウンサーを目指すキッカケになった 運命的なエピソードがあれば教えて下さい。

大下:無いの(爆笑)、 たまたま最初に受かったのがテレビ朝日だったっていうだけで。 私本当に銀行とか商社とかメーカーも全部受けようと思っていて、 たまたまアナウンサーがマスコミで一番早いじゃない? それで最初がテレビ朝日だったの。
だから全部OG訪問もしたし、ゼミの先輩とか。 現実味のある就職活動しなくちゃって思って、アナウンサーだけ 受けてもほとんどの人が受からないワケだから。 でもいっぱい受けてみようと思って。 だからテレビ朝日の一次に受かった時に凄く嬉しくて、 フジテレビとかTBSとか受けても全部一次で落ちたから。

恒川:そうだったんですか。

大下:やっぱり現実はそういうもんだなって思って、テレビ朝日が終わったら、 銀行とか商社とか、ちゃんと回ろうって思ってたので。 でも、受けていくうちにカメラテストだとか、スタジオで 喋ったりするテストがあったりして、凄く楽しそうな職場で 「こういう所で働けたらさぞ楽しいだろうな」って思うようになって、 受けていくうちに執着心が出てきたみたいな感じですね。

恒川:アナウンサーになっていなかったら、今は何をしていたと思いますか?

大下:あ~、どうだろう?絶対結婚は出来ていないんだろうな(笑)。
外国に住んでみたいっていう夢はずっとあって、 それは今でも思っているんですけど、だから外国に住んでいたいです。 「そういうのは、何か目的があって行くんだ?」とかって よく言われるんですけど、「何かを勉強するから行くんだ」って。 でも、そういうのは無いんですよね(笑) だけど、違う文化の中に身を置いて生活してみたいなって思うんです。

恒川:やっぱり海外ロケのとかの時は凄く楽しいですか?

大下:目がランランと輝いて(笑)、サッカーの時もそうですけど、 “イキイキ度”がまるで違うと自分でも思いますね。 「私って幸せ!」ってアナウンサーになって一番思ったのは、 ドイツワールドカップのアジア最終予選でバーレーンに 行かせてもらったのね。
それでバーレーンに勝って、その後『スマステーション』があって、メイクをしている時に 「私って幸せだな!」って、ふと思ったのを今でも覚えていて。 海外ロケ、しかもサッカー絡みってなると、もう至福の時ですね。