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保坂広司ディレクター × 清水敬介~WonderNotes Inspire~刺激人

前編

後編

清水:テレビの仕事内容についてお聞きしたいんですが、プロデューサーとか、ディレクターとか、演出とかの役職の違いって何なんですか?僕のような学生だと、プロデューサーもディレクターも全部同じように感じていて…

保坂:なるほど、確かに分からないですよね。番組によって違うと思うけれど、例えば、清水君がディレクターで僕が総合演出だとして、明日料理のロケがあるとします。そしたら、清水君はどんなタレントでこんな料理のロケをしたいって考えるじゃない。その考えたものを実際にロケして撮ってくるのがディレクター。

それで、その番組が1時間番組だとして、清水君が撮ったのが激安料理、他のディレクターもデカ盛りとかを撮ってきて3本のVTRが出来ました。そしたら、この1時間番組で「核にするVTRをこれ」とか「このVTRは10分にしよう」とか番組全体の内容を決めるのが総合演出。

清水:プロデューサーはどんなことをするんですか?

保坂:プロデューサーは、その番組の責任者で、何か起こった時に責任を取る人。例えるなら店長みたいなものかな。シェフがディレクター、料理長が総合演出、店長がプロデューサーという感じ。

清水:なるほど。すごい分かりやすいです。

保坂:もう少し詳しくいうと、プロデューサーが「このロケを10万円でやりなさい」っていうじゃない。でも、ディレクターは「もっといいものを撮るためにカメラは2台使いたい。だから20万円欲しい」という。それに対してプロデューサーは「ここは10万しか割けないので10万でやれ」とお金なんかも含めて管理する人。後、何か問題が起きたら謝りに行くのもプロデューサーの仕事ですね。

清水:そういう役目もあるんですね。

保坂:そう、単純にいえば番組全部の責任を持つ人。

清水:プロデューサーの統括している枠の中に演出とかディレクターが入るわけですか?

保坂:そうそう、そういうこと。番組の最後にエンドロールって流れるじゃない?あれ見るとだいたい最後はプロデューサーの名前なんだけど、あれは偉い人が最後になってるのね。だからテロップが流れる順番としては、ディレクター、アシスタントプロデューサー、プロデューサーってなっているね。

清水:たまに演出が最後になっている場合もありますよね?

保坂:そうそう。今、僕がいったのはオーソドックスなパターン。番組によっては演出の方が権力を持っている場合があって(笑)

清水:大人の事情ですね(笑)。それは、ケースバイケースということですか?

保坂:そうそう。例えば、演出の方が会社的にはプロデューサーより先輩だったりする場合があるじゃない。そこは、ケースバイケースだね。仕事の役割としては、基本プロデューサーは、演出に関しては口を出さない。例えば「この笑い面白くないよね」とプロデューサーはいわない。

プロデューサーは「この表現は社会的にダメなんじゃないか」とか考えて「カットしなさい」と指示する仕事。番組全体の内容に関して、ディレクターとかに指示するのが演出。社会的にテレビとして公共の電波に流してよいか管理するのがプロデューサー。

清水:実際にVTRを編集したりするのは誰なんですか?

保坂:編集するのは、基本的にディレクター。だからディレクターは編集を考えながらロケをしたりするわけ。「この後、こういう画があると上手くつながるな」とか考えて。

清水:ということは、ディレクターは編集の技術も持ち合わせていないとダメなんですね?

保坂:もちろん、もちろん。

清水:ディレクターを何年かやって、演出になったりするんですか?

保坂:その流れは色々です。ディレクターをずっとやっている人もいれば、プロデューサーになる人もいるし。僕なんかでいえば、演出という肩書をもらっているけれども、自分でロケもするし。

清水:すごくわかりやすく説明していただいて、ありがとうございます。