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三浦敏宏副編集長 × 足立悠馬 ~WonderNotes Inspire~刺激人

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後編

荻野:『週刊少年マガジン』の読者の方に、注目して読んでもらいたいポイントってありますか?

三浦:とりあえず読んでくれればありがたいですね。雑誌なので、どっかの切り口からでも読んでもらえれば。

荻野:すごく気になっていることがあるんですけど、他の少年誌と差別化しようと心がけていることって何かあるんですか?

三浦:差別化はそんなに無いと思います。今読んでもらっている読者層に受け入れられる様に更におもしろいものを作るだけだと思いますよ。例えば『ジャンプ』さんとかでも読者層って結構違ったりするので、ライバルかというと、細かく言えば少し違う気もしますし。他にも『サンデー』さんとか『チャンピオン』さんとかでも違いを出そうとは僕は考えていないですね。

昔、僕が読者だった時は、ラブコメの『サンデー』、不良とかバイクの『マガジン』でバトル系は『ジャンプ』とかってあったんですけど、今は無くなってはいるのかなぁと思います。

荻野:雑誌の表紙ってどうやって決めているんですか?

三浦:お恥ずかしいんですが僕、会社入って(表紙の)写真って関わったこと無いんですよ。心配で触らせてもらえないというか(笑)。だからあんまりわからないです……。けど『週刊少年マガジン』っぽいとか雑誌の個性は出しにくいから大変なんじゃないかとは思います。今は売れてるタレントさんを表紙で使っても、他とかぶっちゃってること多いですし。

荻野:今後、「『週刊少年マガジン』のここに注目してほしい」というアピールポイントはありますか?

三浦:そうですね、スポーツ漫画が熱くておもしろいのが増えているのでぜひ読んでほしいですね。個人的には、担当している不良漫画の『A-BOUT!』に注目してもらえたら嬉しいです。たまにギャグマンガに間違えられてますがおもしろいと思います。
「このマンガがすごい2011」で21位という中途半端にウケてる感じも(笑)。21位って、ソレすごくないんじゃないか、って。20位まではコメントが付いてるらしいんですが、21位だから一切触れられてないと後輩がぼやいてました。

荻野:新連載とかで注目作とかはありますか?

三浦:今だったら『モテキ』を描いていた久保ミツロウ先生の新連載が始まったのでそれを応援して欲しいですね。以前連載していた『337ビョーシ』の時は担当の一人だったので期待してます。

荻野:『モテキ』もそうだと思うんですけど、ドラマ化される漫画って増えているじゃないですか。ドラマ化される場合、漫画家さんとか編集者の人がドラマの内容に関わったりするんですか?

三浦:人にもよるとは思いますが、テレビの方々が作っていくので、作者側は基本的にはノータッチですね。もちろん、ドラマ化する方もされる方も持ちつ持たれつで協力し合ってはいますけどね。個人的には漫画とドラマは別物だと僕は思っていますし、口を出し始めたらキリがないし仕方ないかなぁと。

荻野:ありがとうございます。先程少しお話に出ましたが、スポーツ系の漫画が今注目ということでしたが、私は小さいころから少女漫画とかよりも、兄の影響もあって、スポーツ系の漫画とかが好きだったんです。それで、最近『あひるの空』を読み始めて。

三浦:いいですよね、あれは女性も入りやすい漫画ですしね!

荻野:そうなんですよ!しかもあの漫画、ちょうど私の地元が舞台になっていて、高校の体育館だとか、横断幕なんかを見ると「この高校、遠征で行ったところだ!」とかわかるんですよ!あと、一個気になっていることなんですけど、マガジンの一番後ろのページに目次と一緒に“作者の一言”が載っていますけど、あれはどういう狙いがあるんですか?

三浦:狙いって言う程でもないんですけどね。あれは昔『マガジン』には無かったんですよ。5年くらい前から始めたのかな。読者さんに作家さんと近しい関係に感じて欲しいから付ける様にしたんですよ。そうそう、さっき話した野中英次先生は、「あれが無いからマガジンを選んだのに!」って言ってた(笑)。やっぱり、毎週って大変みたいですよ。書くことが無くなっちゃうから。

でも、読者の方にしてみると「この作家さん、こんなこと考えているんだ!」って近くに感じてもらえると思いますし。最近、漫画家さんもTwitterとかやっているから充分かなと思ってもいるんですけどね。

荻野:確かに作者の一言とかTwitterを見てると近しい気分になれますよね!

三浦:ただね、漫画家さんが自分の担当に行動がモロバレなのを気付いて無いってこともありますからね(笑)。アレ?作画中のはずなのに何で飲みに行ってんだ?とか。「体調崩して原稿遅れて」とか言われて「ウソつけ!」みたいな。

荻野:それはマズイですね(笑)。