友寄隆英ディレクター × 浜田壮瑛~WonderNotes Inspire~刺激人
浜田:友寄さんは、“テレビの世界”にいるというのは、何かこだわりというかあったりするんですか?
友寄:正直には別に何もこだわってない、全部に楽しさがあるから。例えば「明日から報道行け!」って言われたら一生懸命やると思うし、バラエティでもするし、「映画やれ!」って言われたらもちろんする、ドラマもやる。逆にいえばこれ本音で、「明日からADやれ!」って言われたらやると思う、ADやってたからできるもん。
ずっと若いころ殴られたり怒られたり辛いこともあって、月給なんて1か月7万とかでやってたときのプライドがある。なんでも映像が好きで、テレビはやっぱりみんなタダで見れるやん、映画はお金を取ってお客さんに来てもらう、報道は毎日、生を出すっていう。本当に全ジャンルやったら全部にいちいち楽しみがあって自分に向いてるものとか、すごく楽しいもんってあるのかもしれない。もともと入ったのが俺…言ったよね?
浜田:はい!いろんなことをやってたと。
友寄:全然テレビに惹きつけられてきたわけじゃなくて、たまたま知り合いの紹介でバイトを始めたまんま来ちゃってるから。こないだ『毒トマト殺人事件』をSMAPでやって、テレ朝の人とか作家さんとかが「すごい面白いね、こんなドラマ初めて見たよ」とか言ってくれたり、逆に視聴者の方が「あんなオチはない」とか、すごい批判のメールがたくさん来たりしたけど、ドラマでもバラエティでも別にどっちでもいい。“テレビで映像が楽しいから”と思ってそれを見て、誰かが影響されて…だからそういう感じってテレビでやってると分かってくるし、なんでも全てに面白さがある。テレビ局も多分、もっといえばADでも絶対に楽しいと思う。
たまに、テレ朝のエレベーターに“CNN研修募集中”って書いてあるのを見て、本当に行きたくて応募したら怒られたことがあるの。「行けるかお前!バラエティやってんのに」って、でも行きたいねん。新しいことに常にチャレンジしてみたい。頭はもともと悪くてその能力はないから、でも、“コイツと仕事してみたい”という人は覚えてる、だから(浜田くんのこと)覚えててん。
記憶力ないし、頭も悪いし、じゃあ絵が上手いかって上手くもないし、本当に何もできなかったから、こうやってテレビみたいな世界で自分がやったことを視聴者が面白いと思ってくれたものに対して、前向きに自分がなれる。『黄金伝説』とか『お試しかっ!』みたいに、自分が10年やってる番組とか、立ち上げからやってる番組とかは維持したいという気持ちはすごく強い。いつか終わるんだろうけど、死ぬまで『黄金伝説』も『お試しかっ!』も『ぷっすま』も残したいなっていうのもあるし、かたや中国行ったりCNNとか行ってやってみたいとか…それは思うよ!
浜田:まだ上があるということですか?
友寄:うん。浜田くんが来週の月曜までにバラエティ番組を撮って来いっていわれて、これを評価するのは鈴木おさむでも一般人でも誰でもいいけど、来週の月曜までに勝負しろって言われたら、俺きっと負けると思う、
浜田:時間がないっていうことですか?
友寄:いや、本気でやっても能力でも。
浜田:(笑)。
友寄:謙遜してると思うやろ?マジやから。月曜までは大して面白いもの作れないし、その自信はない。
浜田:それは短期だからということですか?
友寄:いやいや、長期でもそんな自信ない。
浜田:(笑)。何を言うんですか。でも僕からしてみたら逆に説得力がないというか、あれだけ面白い番組を僕たちに提供してくれてるのに、そんなことを言われましても…
友寄:『黄金伝説』も『お試しかっ!』も『毒トマト』も『SMAPがんばりますっ!!』も、周りがすごく優秀やねん。番組を一緒にやったら分かるよ、この人めっちゃアホやなぁとか思うもん。ただ、一部分秀でていて、演者と話して「こんなことしてくれ」と説明するのは上手いよ。
浜田:上に立つのが天職というか、秀でているということなんですか?
友寄:いや違うよ、そんなことないよ全然。
浜田:友寄さんっていったら、僕ら(テレビの世界を目指す学生)からしたら雲の上の存在なんですよ。
友寄:そうなの?
浜田:そうですよ。
友寄:あ、そうなんや、差はないよ全く。能力に差はない、権限は俺の方が上やけど。
浜田:(笑)