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吉原伸一郎編集者 × 足立悠馬 ~WonderNotes Inspire~刺激人

前編

後編

足立:吉原さんがこれまで、どんな方から刺激を受けましたか?

吉原:やっぱり一番初めの編集長には、かなり刺激を受けましたね。『AKIRA』の担当だった方なんですけど、その人の影響は大きいんじゃないかと。『モーニング』の連載作品の掲載権って編集長にあって、ネームという作品の下書きを編集長にも見せるんですけど、未だにその一番初めの編集長に見せたらどうやって言われるかな?って考えたりします。

一番初めだったっていうのが大きいみたいです。まぁ、刷り込みですね(笑)。こないだ「お前らの時代は雑誌が売れなくては大変だな」って言って定年されましたけど(笑)。大友克洋さんって当時はマイナーメジャーだったんですけど、『ヤンマガ』で大メジャーになったので、そういう作家さんとのつきあい方に憧れていますね。

足立:では、普段の生活で、仕事にフィードバックするために心がけていることはありますか?

吉原:全てのことが仕事に繋がるから逆に意識したことない。例えば映画を観ていても「これ使えるな」とか「今度、これ話そう」とか、料理を作っていても、僕が担当しているよしながふみさんの『きのう何食べた?』は料理漫画だから、「この話しよう」とか。

普段の生活の中でリラックスしている事でも仕事に繋がります。家で本読んでいても仕事ですし、上司の前で堂々と漫画読んでいても仕事ですから(笑)。そこは「いいかなー」って思います。

足立:それはすごい(笑)。いい意味でオンとオフの区別がないんですね?

吉原:そうですね。唯一オフだったはずのサッカー観戦も『ジャイアントキリング』を始めたことで仕事になっちゃいました。さらに『ジャイアントキリング エクストラ』っていう、実際に監督や選手にインタビューした雑誌を3ヶ月に1回のペースで去年から発売をし始めたら、敵のチームの内情や監督の性格等知ってしまった手前、以前なら、平気で言えていた相当キツい悪態が、ちょっとライトになってしまって、ストレスがたまります(笑)。

足立:次にお聞きしたいのが、吉原さんが子供の頃に好きだった漫画は?

吉原:一番初めに買ったのは『がんばれ元気』の2巻(笑)。今でも覚えてる。初版だけ背表紙が緑だったんだけど、2巻だけ古本屋にあって、バス停で待っている時に母親に買ってもらったんですよ。そこから1巻ずつ新刊を買っていきました。この頃って『ジャンプ』の人気に火が付き始めた頃で、『Drスランプ』の1話とかめちゃめちゃ覚えてますね。「すごい絵の人出てきたなってマーケットで立ち読みしながら思いました。

その前だと江口寿史さん。『ストップひばりくん』とか『すすめパイレーツ』。女の子がかわいかった。あと『ドカベン』。当時は「2年目の明訓のライト誰だっけ?」って聞いたらみんな答えられたんですよ(笑)。

でもひねくれていたから雑誌は『サンデー』を買ってもらっていました。それくらいみんな漫画に熱中してたんです。僕、長男だから兄貴いないんですが、近所のお兄ちゃんとかにいろんな漫画を読ませてもらったりして、そういう時代だったのかな。地域性もあるのかも知れないですね。