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日比生高編集部員 × 高橋まつり ~WonderNotes Inspire~刺激人

前編

後編


東京大学文科三類2年
将来の夢:出版の仕事に携わること


『週刊ヤングジャンプ』編集部員
1987年生まれ
2009年早稲田大学第一文学部卒業
2009年集英社入社
【携わった主な作品】
『華麗なる食卓』、『ヘタコイ』、『流刑島』(「ミラクルジャンプ」にて連載中)

高橋:日比生さん、まだすごくお若いですよね?

日比生:はい、今年の4月で(入社)3年目になったばっかりなんです。

高橋:若手の編集者のお仕事ってどんなことするんですか?

日比生:現場ですよ。『ヤングジャンプ』は漫画だけじゃなくて、グラビアにも相当力を入れていて、今は体制もちょっと変わってグラビア班ができつつあるんですが、これまでは結構若手にグラビアが任されることが多かったんですね。だから結構やることは多いですね。その他には映画などの特集記事もあるんで、若手は忙しく駆けずり回ってる感じです。

高橋:今グラビアは、AKB48が多いじゃないですか。実際に会ってどうですか?

日比生:可愛かったですね(笑)

高橋:日比生さんが担当されたのは、どなただったんですか?

日比生:えっと、僕は、AKB48全体に関わらせてもらう機会が多いです。学生時代はそんなにグラビアを意識して読んだことなかったんですけど、すごく勉強になるしやり甲斐のある仕事です。

高橋:実際に、どんなことをやるんですか?

日比生:基本的に僕は買出し(笑)。もちろんそこから始まるんですが、お茶買ったり、ピルクル買ったり、彼女たちの好みを考えつつ。あとは、どんな風に撮るのか決める会議に参加させてもらったりします。「前回、前々回は明るいイメージで撮ったから、今回はちょっと明かりをおさえてしっぽり撮りましょう」とか、「今まで普通の水着だったけど、今回はスポーティーな水着にして足にスニーカーとスケボー持たせてストリートっぽく撮ろうか?」とか。毎回いろいろバリエーションで見る人が飽きないようにしているので、『ヤングジャンプ』が一番グラビア頑張ってると思いますよ!

高橋:完全に編集者の方の趣味ってわけじゃないんですね。

日比生:もちろん趣味も出ると思いますけど(笑)。それも考えつつってことですね。

高橋:日比生さんの担当漫画は?

日比生:『華麗なる食卓』っていうグルメ漫画と『ヘタコイ』っていうラブストーリーです。あとは『ヤングジャンプ』の増刊で『ミラクルジャンプ』っていうのと『アオハル』っていう2冊があるんですが、そちらでもたくさん漫画家さんに会わせていただいて、担当させていただくことが多いですね。

高橋:『華麗なる食卓』ってグルメ漫画ですけど基本カレーだけじゃないですか。カレーだけで10年くらい続いているのもスゴイと思ってたんですけど、どうやったらこんなに長く続けられるんですか?

日比生:基本の展開は料理バトルをしているんですね。例えばこの前やったテーマは「スッポン」だったんですが、スッポンを使ったカレーを2人の料理人が作って対決するんです。その対決を軸に主人公とヒロインのラブストーリーもありつつ、ちょっとしたお色気なんかもありつつ、楽しめる要素をふんだんに盛り込んだ漫画なんですね。

だから読者の中には料理に興味のない人もいるかと思うんですよ。そんな人にも楽しめる内容になっていて、あと絵がとってもキレイっていうのもあって、それが10年間カレーの漫画として楽しめる理由かなと思います。

高橋:やっぱり、作者の先生とカレー食べに行ったりもするんですか?

日比生:行きます、カレー屋さんで打ち合わせをやったりしますね。でもカレー屋さんにあるような普通のカレーじゃネタがもたないんで、フレンチやイタリアンからネタを引っ張ってきて、それを監修の森枝さんっていう食文化研究家の方に「こんなモノがあったんですが、カレーにできないですか?」って“ムチャブリ”して考えてもらったりしてます。

高橋:この食材がカレーになってもおかしくならないように、ちゃんと考えられていたんですね!

日比生:そうですよ。ただスパイスを入れてるだけじゃない。だから作っていただいてもおいしいかと思います。

高橋:もう1つの『ヘタコイ』は男の子向けだと思うんですけど、こちらはどうやって作ってるんですが?

日比生:先生が気を付けているのが、これが今の若い人の感覚と相違がないのか、ズレがないのかってことです。男の子が主人公ですから、僕が先生から「男の子はこうゆうときどう思うんですかね?」って聞かれたりとかして「やっぱり、いやですよ」って単純に感想を言うだけでもヒントになるのですよ。だから『ヘタコイ』の先生とはいっぱい話すようにしてます。